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患者・市民の医療参加について

更新日:2019/08/01

こんにちは、大浜第一病院の安全管理室です。

「病気のことはよく分からないから、お医者さんに任せておけば大丈夫」
「何の薬か分からないけど、飲むように言われたから飲んでいる」
「検査結果の説明を説明されたけど、難しくてよくわからなかった」
「セカンドオピニオンというけれど、他の病院や先生の意見を聞くなんて、主治医に悪い気がしてできない」

そんな思いを抱いている方は少なくはないと思います。

【必要性について】

 安全で質の高い医療が行われるには、医療者だけでなく、患者の医療への参加が必要であると、国内外で言われています。
アメリカでは、患者・市民向けに「Speak Up(声に出そう)!運動」や「医療事故を防ぐための20のヒント」等が普及しています。
 日本では、厚生労働省が医療機関向けに「安全な医療を提供するための10の要点」を2001年に発表しています。その2番目に、医療への患者参加について取り上げられています。
 また、医療法改正により、医療者は、提供する治療やケアについて十分な説明を行う責任と患者が十分理解できるように工夫する努力が求められています。同時に、患者にも十分理解し納得した上で自らふさわしい医療を選択することが望まれています

 

【課題】

 医療法では、「医療者の存在意義は、患者の健康な生活への支援」と明記されています。つまり、疾患の治療は一つの手段にすぎず、患者の為に医療者がいるのではなく、患者の生活の確保のために患者自身と医療者が協働するという事です。このように、患者が自分の医療について関心や知識を持つことの重要性が謳われる一方、医療の高度化・専門化が著しく発展し、超高齢社会となる中で、一般の人々が正しく理解判断をすることは容易ではないと思います
 今年は令和元年ですが、日本の医療安全元年は1999年と言われ、交通安全などに比べ、歴史はまだ浅いです。

 このような状況の中、いかに患者・市民の医療参加を発展させていくかは、全国の医療機関で課題とされ、取り組みが進められています。

【当院での取り組み】

 ・医療安全全国共同行動~いのちを守るパートナーズ~は、全国の医療機関を標準化する活動を行っていて、そこで提唱されている11の行動目標の中にも、「患者・市民の医療参加」が掲げられています。当院は、これに賛同して安全への取り組みを進めています。

 ・当院では、すでに「体と病気を知るための支援」として、患者様が使用できる図書館を1階に設置しています。書籍やインターネット検索ができる環境を提供しています。何でも相談コーナーも併設しておりますので、不安なこと、疑問についても遠慮なくご相談下さい。

 ・重大な医療事故につながる恐れがある「患者間違い」防止への取り組みをおこなっています。

病院職員が「Aさんですね?」と尋ねて、患者Bさんが「はい」と答えて検査を実施した。そのため、AさんのカルテにBさんの検査結果が反映されて、誤った治療が施されるという結果を招くことがあります。⇒誤った治療が施されそうになるという事例は、当院だけでなく、全国的に発生しています。

 このような事例は、患者様ご自身がフルネームと生年月日を病院職員に正しく伝えることで防げます。

当院では、外来や病棟だけでなく、健康管理センターの利用者の皆様にも、本人確認を徹底しています。ご理解とご協力をお願いします。

 

 ・患者様の病気のことや生活背景をお聞きする事があります。

これは、治療や療養をするうえで不可欠な情報です。病院職員からの確認については、ご理解いただき積極的に情報提供をしていただきますようお願いします。病院職員も患者様に実施する行為を説明しています。

 医療の安心と安全は、こうした相互の情報が共有され、互いの信頼が形成されることによって達成されるものと考えます。