放射線科
高度な診断機器を駆使し、
質の高い画像を提供しています。
画像センターは、常勤医師3名、診療放射線技師13名、受付1名(2023年3月現在)により構成されています。
診療放射線技師は放射線業務の専門家として医療現場において果たす役割は益々大きくなっており、X線撮影、CT、血管造影など放射線を用いた検査、また放射線は使いませんがMRI検査に従事する技術者で、それぞれの専門性を発揮し診療にあたっています。また、地域の中核病院として周辺の病院、クリニックからの各種画像診断検査(CT、MRI)の依頼も積極的に受けています。
主な業務内容
-
- 一般撮影装置
- 当院はシーメンス社製の一般撮影装置Ysioを2台設置しています。主に全身の骨や胸部・腹部、四肢、全脊椎をX線で撮影する検査です。装置は2台設置しており、全てFPDシステムを採用し、患者さんの最適な条件で撮影を行い被曝軽減に努めています。
-
- 骨塩定量測定装置
- DEXA法による手・腰椎・大腿骨頸部の撮影
前腕部、腰椎または近位大腿骨に二種類のエネルギーのX線を照射し、X線の骨による吸収の差を利用し骨塩量を測定します。この検査は骨粗鬆症の程度を把握したり、治療の効果判定に用いられます。
-
- 乳房撮影装置(マンモグラフィ)
- 当科では4名の女性技師が常勤し、女性が活躍する職場となっております。マンモグラフィ検査は全て女性技師が撮影を行っています。現在、乳がんは11人に1人の女性が生涯で罹ると言われており、罹患率、死亡率は年々増加しています。しかし、乳がんは、早期で発見すれば、助かります。マンモグラフィ検査では乳がんの早期発見に貢献しています。
-
- 血管造影装置(アンギオグラフィ)
- X線透視を用いて目的の血管にカテーテルを挿入して撮影及び治療を行います。心臓血管センターではFPDシステムを採用し、高精細な透視及び動画を提供し、尚且つ患者さん の被曝線量も大幅に低減することができます。当院ではシーメンス社製の血管撮影装置Artis zee Biplane、Artis zee Floorの2台設置しています。主に頭頸部、胸腹部、四肢の治療・検査を年間1800件近くのカテーテル治療・検査を行っています。
-
- X線TV装置
- 主にX線を出しながら行う検査や治療に使用する装置です。ミエログラフィ(脊髄腔造影)検査、ペイン治療、胃や大腸、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影) 検査、PTCD(経皮経肝胆管ドレナージ)検査などがおこなわれています。
また整形外科領域に有用なトモシンセシスを搭載
トモシンセシスは、金属デバイスに起因するアーチファクトが少なく、金属周囲の骨構造などの観察にとても優れています。
-
- CT撮影装置
- CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)検査とは、X線を回転しながら多方向から照射し、検出器で得られたデータを断層画像化する装置です。当院のCT装置はシーメンス社製のSOMATOM Definition AS+です。このCTは「高速撮影」「高画質」「低被ばく」を高い次元で両立できる装置です。
撮影して得られた画像はコンピュータ処理することにより、いろいろな断面の画像や3D画像(立体的な画像)を作成することもでき、全身の血管病変の診断や骨折の精密な診断に非常に有用です。 検査所要時間について(目安の時間)
•頭部単純・・・・・3分
•胸部単純・・・・・5分
•腹部単純・・・・・5分
•造影検査・・・・・10~15分
•心臓検査・・・・・15〜20分(前処置30分)
-
- MRI装置
- MRI(Magnetic Resonanse Imaging;磁気共鳴画像)検査とは、X線撮影やCTのようにX線を使用せず、強い磁石と電波を用いて体内の水分量の変化をあらゆる角度から断面像として描写する検査です。
当院のMRI装置はシーメンス社製のMAGNETOM ESSENZA(1.5テスラ)です。
脳梗塞の早期診断、微小な脳動脈瘤・脳出血や肝臓、骨盤内臓器、脊椎、四肢などの病巣に関して圧倒的な描出力を持っています。
検査時間は検査室に入ってから出るまで概ね20分~40分です。(検査部位・条件により異なります)
スタッフ体制
- スタッフ構成
- 常勤医師3名、診療放射線技師13名、受付1名(2023年3月現在)
- 所属スタッフの有する主な資格
- 1)X線CT認定技師
2)検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師(精中機構)
3)臨床技術能力認定(一般撮影検査、X線CT検査、MRI検査、核医学検査)
4)アドバンスド放射線技師
5)業務拡大に伴う統一講習会受講
- 学会発表実績
- 1)日本放射線技術学会総会学術大会
2)全日本病院学会
3)日本診療放射線技師学術大会
4)沖縄県放射線技師会定期総会・学術研究発表会
5)九州放射線医療技術学術大会
6)日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)
7)Complex Cardiovascular Therapeutics(CCT)
8)CTサミット
9)日本IVR学会総会
よくある質問
放射線、放射能、放射性物質の違いは?
放射能とは、放射線を出す性質や能力(働き)のことを言います。放射性物質とは、この放射能をもつ物質のことを言います。よって、放射性物質には放射線を出す能力を持っている性質があるということになります。懐中電灯で例えると、光が放射線に相当し、懐中電灯が放射性物質であると言えます。この時、懐中電灯の光を出す能力のことが放射能に相当します。
レントゲン撮影の放射線は体内に蓄積するの?
人体には放射線の影響を回復する機能がありますので、体内に蓄積し続けることはありません。また、レントゲン検査による被ばくの影響は無視していいほど小さいものと考えられています。
授乳中だけどレントゲンを撮っても大丈夫?
造影剤などを使用する検査においては授乳の制限がありますが、一般的なMRI・CT検査やレントゲン検査では、授乳に影響が出ることはありませんので安心して検査をお受けください。
X線検査の時に衣服を脱ぐのはどうしてですか?
一般的に撮影部位の周辺は脱衣が必要となります。衣類にボタンや金具などがあると、画像上で病変と重なり正確な診断の妨げとなります。また、色鮮やかなプリントがされている衣服に使用されている染料には金属製粉や特殊な素材が混ぜられていることがあり、偶然的に病変のように画像に映し出される場合があります。なお、脱衣をお願いする場合検査着を用意しています。
毎日胸のX線写真を撮影しているのですが、大丈夫ですか?
一回の撮影で用いる線量はごくわずかなので大丈夫です。
当院における胸部X線写真撮影の一回の被ばくは、我々が1年間に浴びる自然放射線の1/40程度です。その程度の被ばく線量のリスクより、毎日の検査で得られる情報の利益は、被ばくによる不利益を上回ります。
エックス線検査は1年間に何回まで受けて大丈夫ですか?
医師が必要と判断した場合には、1年間に何回でもエックス線検査を行うことがあります。ケガ や病気の治療を受けている患者様の場合には、患部や周囲の観察のために毎月、毎週、毎日、時には1日に何度も検査をすることもあります。放射線による被ばくのリスクよりも病状把握の情報となる利益の方が上回ると判断した上で実施されています。