• 文字サイズ

098-866-5171 お問い合わせ
集中治療科 INTENSIVE CARE UNIT

集中治療科

集中治療科について

About Medical department

24時間体制の集中治療を提供します

当院では高度な急性期医療を行っており、極度の重症症例や容態の変動が大きい術後間もない患者様を集中治療室(ICU)で受け入れています。急速に移り変わる全身状態の対応に特化した当科が各専門診療科の先生方と共に「2人主治医制」で死角の無い治療を目指しながら著しい臓器障害の予後改善を目的とした多職種を織り交ぜた集学的治療を実践しています。

ICUチーム紹介

TEAM

ICUは内科系外科系を問わず、呼吸・循環・代謝、その他重篤な急性機能不全患者を対象とし、集中的に治療を行うことによって回復の効果を期待する部門です。 ICUは構造上、患者さまやご家族に緊張感を与えるため、短期間の入室であっても、緊張感や苦痛を最小限にし、安全を確保しながら患者様を取り巻く環境の整備を行い、十分な説明や声かけを行うよう努めています。

ICUチーム紹介

主な疾患と治療法

Disease and Treatment
敗血症

敗血症はいけつしょう

症状

敗血症とは重篤な感染症によって引き起こされる状態で文字通り体が病原体に負けてしまっている状態のことを指しています。敗血症の予後は迅速かつ的確な治療が開始されることに激しく影響されます。(遅れれば時間単位で予後が著しく悪化します。) 残念ながら「この症状=敗血症」というものは存在せず見落とされて治療が遅れてしまう場合もあります。 症状は極めて多彩であり軽微な感染症の症状も悪化し敗血症に移行することがありますので特に免疫の弱い高齢者などは早めの相談をお勧めします。 治療としましては的確な抗菌薬の使用と感染巣の除染が主となります。適応症例の場合はサイトカイン(過剰な炎症物質)またはエンドトキシン(細菌が生産する毒素)の吸着療法なども行っております。

敗血症
重症呼吸不全(ARDS)

重症呼吸不全じゅうしょうこきゅうふぜん(ARDS)

症状

様々な原因から起こりえる肺への損傷のため呼吸機能が著しく障害され酸素投与および機械による呼吸補助が必要な状態です。人工呼吸器が必要なほど重症の場合はARDS特有の専門的な換気が不可欠です。さらに、この病態では他の臓器に目を配りながら体内の水分量など厳密な管理が重要となってきます。

重症呼吸不全(ARDS)のイメージ
多臓器不全

多臓器不全たぞうきふぜん(ARDS)

症状

体内の臓器が本来の役割を果たせなくなることを臓器不全といい、個別の臓器不全はではショックや心不全、呼吸不全(肺)、腎不全、肝不全、凝固不全(血液)、意識障害(中枢神経)などがあります。深刻な病気ほど多くの臓器が同時に障害される多臓器不全(Multiple Organ Failure;MOF)という状態に陥りやすくなります。これは文字通り生死の間をさまよう病状であり早急な対応なしでは救命は見込めません。こういう状況下では従来の診療科の垣根を超えた治療が重要です。もちろん専門的な治療が必要な場合が多く各専門診療科の先生方と一緒に治療にあたります。専門的な治療が進行しているなか全身状態の確保を行い、サポートするのも当科の重要な役目です。
また、生命維持に必要な臓器機能が著明に低下した場合、適応があれば最先端の生命維持装置を駆使し命を守っていきます。

多臓器不全のイメージ1 多臓器不全のイメージ2
重篤な急性疾患又は侵襲の大きい手術後の全身管理

重篤じゅうとく急性疾患きゅうせいしっかん又は侵襲しんしゅうの大きい手術後の全身管理(ARDS)

症状

緊急性の高い重篤な病気は一刻も早い専門的治療が必要です。当院では各診療科の専門家が様々な緊急疾患の治療に励んでいますが重篤な疾患は全身に専門領域の垣根を超えた悪影響を及ぼします。「2人主治医制」の真価は各専門診療科の先生が根本的な治療に専念できるように当科が全身管理でサポートできるということです。集中治療管理が必要になることが多い代表的な疾患として、以下の例が挙げられます。

大動脈解離
心臓血管外科へ
急性冠症候群
循環器内科へ
脳出血
脳神経外科へ
脳梗塞
脳神経内科へ
急性腹症
外科へ
多重または高レベルの外傷
救急総合診療科へ

侵襲の大きい手術(特に心臓外科手術や脳外科手術)は体に負担が大きく、手術後も綿密な全身管理が必要となります。また、万全の手術と術後管理が行われても合併症は完全には防げないことがあり、起こってしまった場合は早期発見と迅速な対応で長期予後への影響を最小限に食い止めます。

イメージ
治療

病態が重ければ重いほど、元の生活に復帰するまでのハードルが多くなり主な病気の治療だけでは事足りません。毎朝、当科がICUにて行っている回診では他診療科と違い医師が中心となるものの看護スタッフはもちろん、多職種が参加するカンファレンス型のチーム回診を各ベッドサイドにて行っております。

栄養管理栄養給食科へ

栄養科も積極的に治療に参加しています。重症患者の場合、栄養も多ければいいというわけでなく食事のルートやタイミングなどもエビデンスと知識をもとに方針を立てています。経管や経静脈栄養なども使いようによっては効果に雲泥の差がでます。また、可能な限り患者様の好みと治療目的を両立させるには栄養科の専門的インプットが不可欠です。

リハビリリハビリテーション科へ

重症患者の治療において救命はいくつかある目的の一つでしかありません。もちろん救命が前提ですが極期を過ぎたら発症前の活動レベル、自立度、就労形態などに復帰できるように努めQOLを保持することが最重要となってきます。上記の朝回診には毎日リハビリスタッフも参加し意見を出し合いながらもとの生活に戻れるようチームとして取り組んでいます。特に、心疾患をお持ちのかたに特化した心臓リハビリプログラムなども確立されています。

医療従事者の方に

医療従事者の方に

いわゆる「超急性期の全身科」であるこの分野の医療は目まぐるしい勢いで進歩しています。たった5年前の知識でも一昔前のものであり全く通用しないということがよくあります。以前に身につけた知識と技術を捨てずとも過信せず当科では定期的に最新のエビデンスを見直しながら最良の医療を提供することに努めています。
知識の更新はスタッフ医師や研修医などはもちろんですが看護師やリハスタッフなどチーム医療にかかわる全員実践すべき義務です。新しい情報の共有を積極的に行うことが医療の質の向上につながります。現在も定期的な勉強会など開催し互いに研鑽しあっていますがこれからも更なる拡大を目指しています。

敗血症

実績

Result

過去2年間の累計疾患別内訳

医師紹介

Doctor
  • 岡田 祥一

    集中治療科/心臓血管外科 科長

    岡田 祥一Shoichi Okada

    岡田 祥一
    専門分野 | Specialized field
    ・心臓血管外科
    ・集中治療
    ・一般外科

こちらも併せてご覧ください