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形成外科 PLASTIC SURGERY

形成外科

形成外科について

About Medical department

キズをなおすには正しい方法があります

創傷(キズ)は誤った処置を続けていると慢性化し、ますます治り難くなります。とくに糖尿病や腎臓病、血管疾患をお持ちの場合は感染症を併発し大きな問題につながります。形成外科は創傷管理の中心的役割を担いながら、皮膚科、心臓血管センター、糖尿病センターなど各科と連携して集学的治療に取組んでいます。皮膚良性腫瘍やアテローマ(粉瘤)、陥入爪(巻き爪)の外来手術も行っています。

主な疾患と治療法

Disease and Treatment
顔面外傷(鼻骨骨折などの骨折を含む)

顔面外傷がんめんがいしょう(鼻骨骨折などの骨折を含む)

症状

形成外科で主に扱う顔面骨折には、眼窩骨(眼球の周りの骨)、頬骨、鼻骨、上顎骨(うわあご)、下顎骨(したあご)があります。疼痛・皮下出血・腫脹などは各骨折でほぼ必ず見られますが、骨が大きくずれると顔の変形、知覚神経が損傷されると痺れ、眼球運動に障害が出ると複視(物が二重に見える)、上・下顎がずれると咬合異常(かみ合わせが悪い)が起こります。

検査

レントゲン撮影、CT撮影は必須です。
その他、症状に合わせて、眼球運動検査、視野測定、知覚テスト、咬合・開口のチェック、髄液漏(脳周囲の液の漏れ)のチェックなどがあります。

治療

頬骨骨折や鼻骨骨折などの整復などを行っていますが、顔面骨折を放置すると変形や知覚異常などの障害を残すことがありますので注意を要します。また形成外科では顔面のけがでは細い糸で縫合して、出来るだけ縫合の痕が残りにくいように努めています。※緊急治療を要する顔面骨々折や咬合などの問題がある場合には他院を紹介することもあります。

熱傷

熱傷ねっしょう

症状

①表皮が赤くなり、痛みをともなう軽度のやけど( I 度)
表皮のみ損傷しているもので、皮膚は赤くなりヒリヒリとした痛みをともないます。即座に流水で冷却すると、あとを残さず3~5日で治ります。

②強い痛みと水ぶくれをともなう中等度のやけど( II 度)
表皮の下の真皮も損傷を受けた状態です。赤み、腫れ以外に水ぶくれがあらわれ、激しい痛みをともないます。
しかし、真皮の深くまでやけどを負った場合は感覚が麻痺し、痛みを感じなくなります。

③植皮が必要となる重度のやけど( III 度)
表皮、真皮、さらに皮下組織にまで及ぶやけどです。皮膚は白色や黄褐色、黒褐色になり、痛みはなく、しびれたような感覚になります。火災や熱した油などによって起こることが多いです。すぐに医療機関を受診してください。

治療

直ちに冷却することが重要です。これにより熱による組織損傷が深くなることを防ぐだけでなく、受傷部位の炎症を押さえ痛みを緩和するが出来ます。その場合、無理に衣服を脱がず、水道水などの流水を衣服の上から直接流します。

冷却する時間は20分位行い、水疱のある場合は出来るだけ破らないようにしてください。
II度熱傷であれば、大抵の場合、消毒と軟膏治療で治りますが、ひとたび細菌感染をおこしますと、損傷は深くなり治癒までに時間がかかるだけでなく、その後、瘢痕やケロイド、拘縮などの後遺症を招くことになります。

入院加療を必要とする熱傷も当院では治療対象です。

瘢痕(きずあと)、ケロイド

瘢痕はんこん(きずあと)、ケロイド

症状

瘢痕とは、外傷、手術、やけどの後などにみられる“傷痕(きずあと)”のことです。
傷痕が残るかどうかは、傷の深さ、大きさ、受傷部位、細菌感染の有無などに左右されます。

瘢痕の線維成分が過剰に増殖すると、ケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる状態になります。
ケロイドは隆起や硬さ、赤みなどが持続し、当初の範囲を超えて大きくなりますが、肥厚性瘢痕は、多くの場合時間とともに落ち着き、当初の範囲を超えて大きくなることはありません。

治療

ケロイドは手術後や外傷後に発生する場合がありますが、その原因ははっきりせず体質的な問題が大きいとされており根本的な治療がなかなか難しい疾患です。しかし、ステロイドの注射や外用、内服薬などの組み合わせにより症状が緩和することもあります。

皮膚、皮下、軟部組織腫瘍(黒子、アザ、おできなどの良性腫瘍)

皮膚、皮下、軟部組織腫瘍ひふ、ひか、なんぶしょしきしゅよう
黒子ほくろ、アザ、おできなどの良性腫瘍りょうせいしゅよう

症状

皮膚皮下腫瘍、母斑、血管腫(しこり、ほくろ、あざ、いぼ、粉瘤)
皮膚にできるしこり(皮膚腫瘍)もしくは皮膚の下にできるしこり(皮下腫瘍)は大変多くの種類がありますが、大きくわけると「良性のもの」と「悪性のもの」に分類されます。そのうち「良性のもの」はもとになる細胞によりいくつかに分類されます。
ほくろ
褐色から黒褐色をしていて、形は平らなものから、膨隆したものまであります。治療は切り取ってしまう方法があります。
イボ
ウイルスが小さな傷から皮膚に入って増えたもので、一種の感染症です。手や足の裏などによくできます。よくタコと間違われますが原因が異なり、別のものです。治療は液体窒素で焼く方法が一般的ですが、なかなか治らない場合は切除することもあります。
粉瘤(アテローム)
形成外科で治療することのもっとも多い皮膚のできものです。皮膚の一部が陥凹して袋状になったもので、袋が皮膚とつながっているために動かそうとすると皮膚と一緒に動きます。内容物は悪臭のある粥状になった皮膚の垢です。中身を押し出して治療する方法が行なわれてきましたが袋が残っている限りまた大きくなります。また放っておいた場合は大きくなって破裂し化膿することがあります。その際には痛みを伴います。このため、治療はなるべく小さいうちに付着している皮膚を含めて袋ごと切除します。
毛巣洞
毛巣瘻(もうそうろう)とも呼ばれ、肛門の少し上に皮膚に小さな穴が開いている状態です(図)。

検査

必要に応じてCT、エコーを行っています。

治療

一番多いのは粉瘤腫という皮膚の下に出来るしこりです。これは体中どこにでもできるもので袋ごと摘出するのが根本的な治療です。他にも脂肪腫や線維腫など皮下や皮膚に出来る腫瘍は多いのですが粉瘤腫に限らず小さい腫瘍の場合にはほとんど外来手術で治療が可能です。

表皮にしこりができた状態
皮膚の表面に直径数ミリから数センチのしこりができて、半球体に盛り上がります。放っておくと大きくなる可能性があります。

しこりの大きさに合わせて
最小の範囲で切除
粉瘤のある部分に局所麻酔を注射し、しこりの大きさに合わせた最小の切開を行い、皮膚を切除します。

腫瘍の再発の原因となる
袋ごと除去
根元から除去するため、再発の心配はありません。切開した部分は傷口が残りにくいように縫合します。

アフターケア
手術の約1週間後に抜糸を行い、終了です。

毛巣洞による炎症が起きた場合は抗生物質や炎症を抑える薬を投与したり、皮膚を切開して膿を出す処置をしたりします。(図)治すためには穴から伸びる管やその内部の毛などを全て切り取る手術が必要です。

皮膚癌(扁平上皮癌、基底細胞癌、ボーエン癌)

皮膚癌ひふがん扁平上皮癌へんぺいじょうひがん基底細胞癌きていさいぼうがん、ボーエン癌)

症状

一見イボやホクロ、傷あとに見えるものが悪性の皮膚腫瘍(皮膚がん)であることがあります。
特に「最近イボが大きくなってきた」「黒くにじんだホクロができている」「ジクジクして時々汁や血が出る」「爪に黒いスジができた」「傷のようなものができたがなかなか治らない」などは要注意です。
皮膚悪性腫瘍の代表的な疾患には基底細胞癌、扁平上皮癌、ボーエン病、などがあり、皮膚悪性腫瘍ガイドラインに沿って切除範囲を決めております。
また皮膚の下にできるしこり(皮下腫瘍、軟部腫瘍)にも悪性のものがあります。特に急速に大きくなるものは悪性の可能性があります。
たとえ悪性であっても痛み、かゆみなどの自覚症状を伴うことはほとんどありませんので、症状が無いからといって放置するのは危険です。皮膚のがんは完全に切除すれば完治することが多く、腫瘍が小さい時ほどよい結果を生みます。
できものに気付いたら小さいものであっても早めに受診されることをお勧めします。

扁平上皮癌

別名、有棘細胞癌とも呼ばれ、基底細胞癌に続いて頻度の高い皮膚悪性腫瘍です。症状としては、小結節状の病変から始まり、次第に拡大して隆起性の腫瘤や、難治性潰瘍を形成します。進行すると付近のリンパ節(所属リンパ節)や他の臓器に転移します。

基底細胞癌

日本人にもっとも多く見られる皮膚がんです。基底細胞がんは、表皮の一番底の部分、基底層にある基底細胞によく似た細胞が増殖するがんです。紫外線の影響が大きく、目や鼻の周りなどの顔に出ることが多く見られます。しかし、原因は紫外線だけとは限りません。基底細胞がんは、組織を破壊する力が強い場合があるものの、転移はほとんど見られず、いのちに関わることの少ないがんのひとつです。

ボーエン癌

ボーエン病は、湿疹によく似た赤色や褐色の類円形の斑ができる病気です。表面はざらざらとしており、かさぶたができることもあります。表皮の中で横へ横へと広がって大きくなり、深部には行きづらい前癌病変です。前癌病変の段階で見つけることが重要です。

検査

必要に応じてエコーを行っています。

治療

扁平上皮癌・基底細胞癌・ボーエン病などの皮膚癌は確実に癌を摘出する必要があります。そのためには広範に切除しなければならない場合がありますが、その際には植皮や皮弁などで腫瘍摘出後の欠損部を再建します。

なかなか治らない足の潰瘍
症状

「治りにくい創傷」のことを「難治性潰瘍」といいます。
基礎疾患があることにより傷の秩序立った傷の治りが障害される状態にあります。その原因と種類にはさまざまな疾患があります。

糖尿病性潰瘍

糖尿病により生じる免疫力低下、創傷治癒遅延、神経障害、動脈硬化などが原因で生じる潰瘍です。さまざまの病態が混在して生じるため治癒が困難となります。

静脈うっ滞性潰瘍

下肢静脈瘤や下肢静脈還流異常により生じる潰瘍です。長時間の立姿勢や下腿浮腫が悪化の原因となります。下肢への静脈血鬱滞により血液の循環が障害されて治癒が困難となります。

動脈性(虚血性)潰瘍

閉塞性動脈硬化症やバージャー病による潰瘍です。下肢に十分な血液が供給されないことにより虚血という状態になり最悪の場合足は壊疽します(組織が死んでしまう状態)

検査

必要に応じてエコーを行っています。

治療

難治性潰瘍の治療はさまざまな原因により生じていることから、まずその原因、誘因、治癒を妨げている因子を理解して取り除くことがもっとも重要です。
それとともに局所治療と全身治療を行うことで治癒に近づきます。難治性潰瘍の原因は様々であり、多くの疾患や病態が原因で生じていることから多くの専門家の協力のもと治療を行うことは必要不可欠です。
当院では他科専門家の先生方と連携を密にとり難治性潰瘍の治療にあたっています。

実績

Result

年度別手術件数

医師紹介

Doctor
  • 黒田 周一

    形成外科 部長

    黒田 周一Shuichi Kuroda

    黒田 周一
    専門分野 | Specialized field
    形成外科
    資格 | Qualification
    日本形成外科学会専門医

外来診療表

Calendar
初診・再診受付時間

平日

午前8:00〜11:00
午後13:00〜16:00

土曜

午前8:00〜11:00

面会時間

12:00〜21:00

形成外科

※1の受付時間8:00~9:30
※2の受付時間8:00~10:30
※3の受付時間15:00まで

12/16(月) 12/17(火) 12/18(水) 12/19(木) 12/20(金) 12/21(土)


黒田 周一
※休診
黒田 周一
※予約のみ
黒田 周一
※休診
黒田 周一
(※1)
(初診・紹介のみ)
黒田 周一 黒田 周一
※休診


黒田 周一
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手術 黒田 周一
(※3)
手術 休診

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