大浜第一病院ブログ
~人徳のなせる業~
おおはま日和
更新日:2023/06/26
とある日の職員から聞いたお話し。
あめくの杜エントランス付近での出来事です。
職員が前理事長銅像横を通り過ぎようとしたときでした。
お見受けしたところ80歳前後の男性は
銅像の肩をポンと叩き、職員に話しかけてきました。
「あのね、大浜前理事長は45年ぐらい前にね、私の体に初めてメスを入れた人でね、当時、先生は現役バリバリの時で私が両脇に、ニーブター(おでき)ができて病院に行ったときには先生が忙しいから看護師さんが切ろうとしたのだけど、あっ、先生は偉いから看護師さんのそばにすぐ来てくれて、先生が看護師さんに脇を剃ってと指示した後、先生がニーブター(おでき)を取り2針縫ってくれたさぁ。私はね、当時新聞社に勤めていたけど、それからずっと先生に診てもらっていたのだよ。だから今でもこうやって、前理事長銅像前で必ず挨拶して帰るさぁ。」
話しかける男性のその両目はとても穏やかで、なんだかうれしそうでした。
職員が「へぇ、そうでしたか。貴重なお話をありがとうございます。」と言いますと
その男性は満面の笑みで2、3度会釈をしながら
おやじ独特のサインでしょうか。右手を軽く挙げてエントランスから出て行きました。
実は、その話を聞いている私の後ろで、別の高齢男性がこれまた銅像の手を触り
深々とお辞儀をされていました。
色々な意味で人を救うことのできる医師だった、と
話をしたこともない前理事長に思いを馳せたひとときでした。